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アート、演劇、食べること。とにかく感じることが好き。観て、食べて、感じたものを徒然にご紹介
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『正札附き根元草摺』坂東玉三郎特別舞踊公演より

博多座さんで2016年2月21日(日)まで公演中の
『坂東玉三郎特別舞踊公演 中村獅童出演』の二幕目、
『正札附き根元草摺』の感想です。

公演全体の感想
同公演、一幕目『舟辨慶』の感想


この幕では、一幕目の『舟辨慶』より舞踊の要素がぐん
と強くなります。
ちなみに、この幕は玉三郎さんお休みです。

***あらすじ***
曽我五郎(中村獅童)は父の敵工藤と対面するため、
鎧を小脇に駆け出すが、小林妹舞鶴(中村児太郎)が
鎧の草摺(防具)を引いて止め、「放せ」「止めた」と
力を競う。五郎が勇み立つと、舞鶴はしおらしい仕草で
止め、二人は連れ舞いする…。
*********


もうっすごく好きでした。観ていて楽しい幕!
この幕は照明を落とした真っ暗闇から始まり、
音だけが聞こえてくる…。
そして、明転!
そこにいたのは、雛壇にずらりと並んだ
長唄やお囃子の方たち。壮観です。

その雛壇が中央から左右に分かれ、
後ろから、台座に乗った獅童さん&児太郎さんが
現れます!!
この瞬間、心を奪われましたね。
まるでお人形さんのように綺麗で華やかな登場です。

舞台は、基本的にずっと舞なのですが
もう獅童さんのリズム感が素晴らしく、
玉三郎さんがよく獅童さんと共演されている理由が
わかりました。

また、日本の音楽は西洋のものと比べると
これまでは静のイメージがあったのですが
獅童さんの舞とともにに音を楽しむと、
日本の音はこんなにも躍動感にあふれていたのかと驚きます。

児太郎さんは、役にぴったりですね。
途中でか弱い女の子をよそって「お~こわ」と
言っている台詞も「絶対そんなことない!」と
観客に心の中で突っ込ませるようなコミカルさがあり
楽しかったなぁ。

児太郎さんは学生時代にラクビ―をやっていたそうで、
この怪力女性役はまさに児太郎さんのための役だなと。
それを持ってきた玉三郎さん、愛情深いですね。

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『舟辨慶』 坂東玉三郎特別舞踊公演より

博多座さんで2016年2月21日(日)まで公演中の
『坂東玉三郎特別舞踊公演 中村獅童出演』の一幕目、『舟辨慶』の感想です。

玉三郎さん


公演全体の感想はこちらから↓
坂東玉三郎特別舞踊公演


この舞台で描かれているのは、源平の盛衰の悲哀。
壇ノ浦の戦いの後、兄頼朝の不興をかった源義経は、弁慶(中村獅童)らとともに都落ちをし、西国を目指すこととなる。静御前(坂東玉三郎)は、義経との別れを惜しみながら舞い、そして去っていく。その後、旅路を進む一行の前に現れたのは、源氏に滅ぼされた平知盛(坂東玉三郎二役目)の霊。一行に襲い掛かるが…。

これは、歌舞伎でよく上演されている『舟辨慶』を玉三郎さん演出でもっと能に近づけたものですが、幽玄さ・切なさを感じる作品でしたね~。
特に静御前の舞い終わった後、船頭がやってきたことで、もう義経たちは旅立つときなのだ、自分は去らなければならないのだと悟ったときの様子。

静はしゃがみこんで烏帽子をはらりと落とす。
そして静が去った後、舞台に置き去りになった烏帽子。

…切ない!辛い!
だって、彼女はきっとわかっていたはずなんですよ。
もうこれを最後に義経には会えなくなるんだって。
その辛さが玉三郎さんの全身からにじみ出ていて、観ているこちらの胸も締め付けられました。

また、玉三郎さん演出のこの舞台では、知盛の霊は花道にあるすっぽんから登場するのですが
これは非常に効果的でした。
ふっと現れた亡霊の様子が表現されているなと。
それに、登場した際の恨めしさいっぱいの声。すさまじいものがありました。

玉三郎さんが「知盛は歌舞伎では鬼のようにあらわされるけれど、
自分がやるときはそうではない形にしたい」とおっしゃっていたことはこれだったのかと。

通常の『舟辨慶』よりは派手さはないかもしれません。
でも、きっと作品の性格にあっているのはこんな演出なのでしょうね。

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坂東玉三郎特別舞踊公演

博多座さんで2月21日(日)まで公演中の
『坂東玉三郎特別舞踊公演 中村獅童出演』を観に行ってきました。

玉三郎さん

一言で言うと、「美しいものは美しい」。
何も考えなくとも、美しいものはただそれだけで、人を感動させるのだなと。
歌舞伎がどうとか、日本舞踊がどうとか、能がどうとか。
玉三郎さんの舞いは、そんなことが頭をよぎる隙もないくらい絶対的な美しさがある。

玉三郎さん曰く「難しい理屈などは勉強しないで、まずはそのままを観て楽しんで頂きたい」
とのことでしたが、まさにその通り。
だから、伝統芸能ってなんだか難しそうと感じられている方にこそ観てもらいたい。

演目は『舟辨慶』『正札附き根元草摺』『二人藤娘』の三幕。
それぞれの感想は、また後日別記事でご紹介しますね。

舟辨慶感想
正札附き根元草摺感想

いやぁ、日本に“女方”というものがあって良かった!

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はじめまして

はじめまして。
福岡在住のtomoです。
昔から、絵画を観たり、お芝居を観たりして心が揺れ動くことを感じることが大好きでした。
そして、美味しいものを食べて幸せを感じることも、もちろん大好き。

心が揺れ動いたモノ、コトをこれから紹介していきたいと思います。