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アート、演劇、食べること。とにかく感じることが好き。観て、食べて、感じたものを徒然にご紹介
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映画『家族はつらいよ』

『家族はつらいよ』観てきました。
あの『男はつらいよ』シリーズ終了から約20年。
山田洋二が手掛けたファン待望の心温まる喜劇です。

家族はつらいよ

***あらすじ***
定年を迎え、悠々自適な隠居生活を送る平田家の主・周造(橋詰功)だったが、妻・富子(吉行和子)から誕生日のプレゼントに「離婚届ほしい」と告げられて…。
子供たちも巻き込みながら、平田家の離婚騒動は果たしてどんな行方となるのか。
**************

山田洋二監督らしい、あたたかぁい作品。
要所要所に笑いも散りばめられていて声を出して笑っちゃう。

『男はつらいよ』の題名を受け継いでいるだけあって、
登場人物が人間味あふれている。
寅さんほどではないけど、“だめだなぁ”感がよく書かれている。

功は靴下は脱いだら脱ぎっぱなしだし、
妻の誕生日を忘れて行きつけの小料理屋で女将にデレデレしながら泥酔しちゃう。
長男は理屈っぽくて功と反りが合わない。(子供たちからはうっとうしがられている)
長女の夫は、頼りなくて「嫁に食わせてもらってる」って思われていたり…。

完璧な人よりも、こんなちょっと出来損ないな人たちの方が
共感ができるのはきっと私だけではないはず。
あぁ、どこの家もこんな感じなんだぁと安心してしまう感じが心地いい。

そして、キャストたちの脱力感たっぷりの演技が好きだったなぁ。
橋詰さんの腑抜けた顔に何度も笑わされちゃうし、
長女の夫を演じる林家正蔵さんの間抜け顔もいい味出してます。

物語の中で時折チラッと顔を出す、山田監督からの『男はつらいよ』や小津作品への愛情もファンにはたまらないはず。

かまえず、暖かい気持ちになりたい人におすすめです。

公式ページはこちらから
http://kazoku-tsuraiyo.jp/index.html


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「アール・ヌーヴォーのガラス」展

福岡市博物館でやっている、「アール・ヌーヴォーのガラス」展に行ってきました。

アール改

アールヌーボーのガラスと言えば、エミール・ガレが代名詞。
もちろん、ガレの作品もたくさん展示してあったのだけど、私はドーム兄弟の作品に惹かれちゃいました。

個人としてのネームバリューが強いガレと違って、ドーム兄弟の作品はどちらかと言うとメーカーとしての力が強い性格をもってたみたい。
なんでも兄弟が経営するガラス工場には、各工程毎にスペシャリストの職人を置いていたそうで、その力を結集することで質の高い製品を作っていたのだとか。

だからこそなのか、作風もガレよりもより市井の人に受け入れられやすい愛らしさ。
特にキノコをモチーフにした作品は、ぽこぽこ生えてる感じがほんわかしてて可愛い。ゆるい。


⬆︎この入り口に飾られてた、手前のキノコのパネルがドーム兄弟の作品。

それと、中国や日本の影響がこれほどまでに強かったのも驚き。
参考にした程度かなって思ってたら、いやいや。甘かった。
北斎の布袋様がそのまんま描かれてあったり。
日本刀の鍔をモチーフにしてるものがあったり(紺の濃淡で表現されてて、すごくクール!)。

いま国際化とか色々言われてるけど、芸術の世界ではとうの昔にそんな垣根は超えてたのね。
美しいものに、国境なんて関係ない。

展示の仕方もジャポニズムがより伝わるよう、作品の後ろに江戸時代の屏風を置いてあったり世界観を伝える工夫があった。

製作者が作り出そうとしてたものを、観覧者も感じられる展示はありがたいね。

あと、こんなに色彩豊かで、立体的な細工がなされた物がどうやって作られたかの説明も興味深かい。

色付けは、成形されたガラスの上から染料などを塗っていく手法もあるけど、もともと色が着いたガラスを重ねていく技法が多く使われてたんだって。
例えば、ピンクの花が描かれている青い花瓶だったら、先に青いガラスで花瓶の形を作って、その上に花びらの形にかたどったピンクのガラスをのせていくっていう風に。

だからこそ奥行きがある色の重なりになってるんだと。
さらに、それを削ることで下の色が淡く顔を出したり…。
はぁー、よく考えられてますなぁ。

感心しちゃった展覧会でした。



福岡市博物館で3月27日まで開催中
「アール・ヌーヴォーのガラス展」

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